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僕の大型鰐

第2章 鰐の丸めかた


3分経過。シャルラは砂を全て落としきった砂時計を見て微笑んだ。クロコダイルはまだ考え込んでいるようだが、大人しくしているのはもう限界だ。引き金を引くだけで勝手に慌てるのも面白いが、それよりも自分で掻き回してやった方が楽しい。
シャルラは椅子から立ち上がって砂時計を手に取り、軽く机を叩いた。
「わ~にさん。3分、経ちましたよー!」
クロコダイルはその声に顔をあげて盛大に舌打ちをした。
シャルラが砂時計を投げ、クロコダイルが右手で受け取る。クロコダイルは受け取った砂時計をテーブルに置き直しながらシャルラを睨み付けた。
「…てめぇは」
「うん?」
「てめぇはおれに、何を望んでいる?」
「付き合ってくださいって言ったじゃん」
「それがわからねぇ。具体的に何をしろと?」
「んー……要は恋人になってって事なんだけど。具体的にだっけ?難しいな。」
シャルラは顎に手を当てて考えた。クロコダイルは解せないという顔でシャルラの次の発言を待つ。
「具体的…具体的ねぇ。………あ、わかった。セックスしたい!」
ぱちんと指を鳴らしてドヤ顔を披露したシャルラに、クロコダイルは頭を抱えたくなった。
「(お前…まさかとは思ったが、そうか、ああそうか、そういう『付き合え』か…!)」
クロコダイルは内心で一人ごちて、落ち着くために小さく深呼吸をした。そして再び、シャルラの目を真っ直ぐ見つめる。
「ハーロート・シャルラ。」
「…はい。」
クロコダイルがやけに真剣に名前を呼ぶので、シャルラも真剣な顔つきになって無意識に姿勢を正した。
「おれは男だ。」
「知ってる。一応言っとくけどおれも男。」
「…つまりお前は、そういう性癖なんだな?」
「そういう認識で構わないよ」
クロコダイルはなるほど、と頷いて続けた。
「なら性別の話は置いておくとしようか。
  おれは、王下七武海だ。」
「うん」
「てめぇは海賊で、しかも5億の賞金首だ。」
「…うん」
「まともな交際ができると思うか?」
「無理だろうね。」
「その通り。しかも本来ならおれはてめぇを捕まえて海軍に預けなけりゃいけねぇ立場だ」
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