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僕の大型鰐

第3章 自覚


クロコダイルがしぶしぶシャルラとの交際を始めてから3日。
アラバスタは相も変わらず平和である。

あの日、クロコダイルの返事を聞くなりシャルラは
「そうと決まれば準備しなきゃ!」
と、とてつもないスピードでカジノを出て行った。
唖然としたクロコダイルが固まっていると、電伝虫が鳴った。
『あのね、3日以内に戻るからおれが寝泊まりできるスペースつくっといて!」
「お前どうやって…」
『ごめん急ぐから!』
ブツン。出て行く時と同様、慌ただしく電話が切られる。
思わず受話器を枯らす所だった。
どうやっておれの番号を手に入れたんだ。少なくとも2日はかかる準備ってなんだ。急ぐ必要はない、そのまま帰ってこなくて結構だ。
言いたい事はたくさんあったが、通話は終わってしまった。

クロコダイルは落ち着いてシャルラの言葉を反芻した。寝泊まりできるスペースをつくれ、ということは、クロコダイルと共に寝る気はなさそうだ。それまでの会話の流れや堂々とセックスしたいとか言うあたり、同じベッドで寝たいと言いそうなものだが。その辺は一応わきまえているのかもしれない。
秘密を握られているからには拒否権はない。クロコダイルは受話器を握り直し、ロビンの携帯する電伝虫の番号を入れた。
『はい』
「一人、ここへ住むことになった。部屋をつくっておけ」
『部屋を?」
「ああ、内密だ」
『…わかりました、サー。その人の背丈はどれくらいかしら』
「背?」
『サーの知人は皆平均よりかなり高いもの』
クロコダイルはシャルラの姿を思い浮かべた。背は自分ほどではないが確かに平均より高かった。
「2m…くらいか。男だ。」
『はい。ではそのように手配します』
ものわかりのいい女で良かった。クロコダイルはロビンの返事を聞いてから受話器を置いた。これが別の部下であれば、なんでだの誰が住むのかだの鬱陶しく聞いてきたに違いない。安堵のため息をついたクロコダイルは、今日の分の仕事をすべく自室へと向かった。
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