第6章 映画館 × 和
自分で自分の出演している映画を映画館で観る日が来るなんて思ってもみませんでしたよ
でも私が観ないと言ったら有未ちゃんは翔さんを誘う、そう思ったら拒否は出来ませんでしたね
有未ちゃんはさっきから真剣に映画を観ている
周りの観客もスクリーンに釘付けになっている
単純に嬉しいですね、本当に
もう一度有未ちゃんを見ると瞳がウルウルとして今にも泣きそうな顔をしていた
…
目が離せない…
有未ちゃんの瞳から涙がポロッと落ちた瞬間、私は有未ちゃんの手を握っていた
「ッ!!」
ビックリしてこちらを向く有未ちゃん
でも繋いだ手を振り払おうとはしない
私がスクリーンに視線を移すと有未ちゃんもスクリーンに視線を戻した
有未ちゃんのドキドキが手から伝わってくる
何だか私までドキドキしている…柄にもなく
客席が明るくなった
「ズズッ…」
二宮和也
「有未ちゃん、泣きすぎですよ」
「だって…ズズッ…」
二宮和也
「ふふっ、嬉しいですけどね」
「えっ?ズズッ…」
二宮和也
「役者冥利に尽きるってヤツですよ」
「ズズッ…」
二宮和也
「だ~か~ら~、鼻すすりすぎでしょ、全く」
「…ふふっ」
二宮和也
「さぁ、何か美味しいものでも食べてから帰りましょうか」
「わ~い」
二宮和也
「まぁ、有未ちゃんが一番美味しそうなんですけどね」
「ん?何か言いました?」
二宮和也
「教えてもいいですけど多分、いや絶対有未ちゃん顔が真っ赤になりますけど聞きます?」
「…やめときます」
二宮和也
「うんうん、いい子」
そう言ってまた私の腕をつかんでニノの腕に絡めた
二宮和也
「さっ、行きましょう」
結局私は顔が真っ赤になった…