第1章 カイエンパンザマスト。
少女は言った。
「人を殺す事に何も思わない。感じない。」
少女は、赤い目をして、そういい放った。
少女は、涙の流し方が解らない。
込み上げてくる何かを知らない。
彼らと出会い、共に過ごした日々の中で見つけた物は、少女には理解が出来なかった。
それがなんと言う物なのか、少女は知らなかった。
産まれ、捨てられ、殺し、殺される。
少女は正義のヒーローだった。悪を打ち消す、正義のヒーロー。
だが、血で血を洗うその少女を、誰一人、ヒーローとは呼ばなかった。
だからといって、彼女が悪だとは、思えなかった。
白か黒か、、、独りの曖昧な正義のヒーローは、今日も、平和な世界を求めて、戦う。
この世の全てを動かすナニカを探して。