第3章 はーどわーく(1)
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「千春!」
『はいっ!』
私は突然呼ばれて肩をビクッとさせる。
決して下の名前を呼ばれてドキッとした
訳ではない。
この場所に来て初めて指名された…とでも言おうか。
ちょいちょいと手招きした彼は。
整いすぎた顔立ちの。
そう、松本潤。
『なんでしょうか。』
私は彼の目の前に足を運び、
彼が引いてくれた椅子に座る。
そして、座った私を360度見渡すように
一周して。
「うん。合格だね笑」
いい意味でも悪い意味でも美しい笑顔を私に向けた。
『まっったく状況が飲み込めないんだけど。。』
私が苦笑いすると。
そんなの気にも止めないという風に。
どこからか綺麗なパーティー様のドレスを持ってきて。
「着てみてくれる?」
強引に私にドレスを手渡した。
*