第2章 漁師系上司×魚食べれない系後輩
*
わたくし、
東川千春(ひがしかわ ちはる)は、
本日からこの個性的な五人の雑用である。
「俺らがなにも言わなかったらそれまで自由なことしてていいから」
『わかりましたー!』
…そう考えるとラッキーな仕事なのかもしれない。
「席は…大野さんの隣」
……ちょっと厄介かもしれない。
「よろしくね~」
大野さんはやはり釣りが好きなのか。
机の上に置いてある雑誌の名前は
釣り、釣り、釣り、グラビア、サンデー、フィッシング。
まぁ、途中変なのも混じってるけど。
ただ単に趣味に没頭する可愛い人なのかもしれない。
「ん?興味ある?」
『あ、いやあのぅ』
気づかれてしまった。
「どの魚が一番好き?やっぱね、釣ったとき一番達成感があるのはマグロかなぁ」
『すいません。私魚苦手なんです。』
私は人間がこんなにも肩を落とす姿をこれまで
見たことなかった。
*