第2章 *1*
「ねェ、いつになったら死ぬの?」
『…。』
「無視してんじゃねェよ、メスブタの分際で!!」
私は立ち上がって向き合った。
そして馬鹿にするように見下した。
『暇でイイね。』
「はァ!!?」
『悪いけど、あんたたちのお遊びに付き合ってる暇ないもんで。』
鬱陶しい。
もう何ヶ月だっけ?
いい加減イライラしてきた。
「ちょっと待てよ。」
『男が女に手を出すっていうの?』
「うっわ、こいつ自分を女だと勘違いしてるぜ!」
「マジ?キモッ!!!」
『うん、気色悪いよあんたたち。』
バキィッ!!
「キャハハッ!!」
「ウケる~」
「写メ撮ろ!!」
血で滲んだ口元。
鉄の嫌な味がする。
腹を蹴られ、顔を殴られ。
『楽しそうね、くだらない。』
「もっとやって。」
『ウッ…』
「ミュー!!」
たった一人の親友がいる。
いや、いたと言うべきか。
私のイジメがエスカレートして、彼女に手が出た。
彼女は私のせいじゃないと書き残して死んだ。
今は完全に独りぼっち。
助けてよ。
こうやって心が崩れていくんだ。
『あぁ、もう、どうでもいいや。』
遂に耐えられなくなった。
屋上で公開処刑とは、めでたいものだ。
「早く跳んでよ。」
「は~や~く!!」
「は~や~く!」
怖いことない。
もう終わらせられるから。
見ていればいいわ。
私の死に様を。
『あんたたちって、本当罪深い。』
「え…」
「あ、嘘でしょ…ッ!!」
私は屋上から飛び降りた。
最後にまた、悔いが残る。
あーぁ、まだ何にもしてないのに。
光が私を包んだ。
次の瞬間。
感じたのはコンクリートの硬い感覚ではなく、水の感覚だった。