第7章 〜現世〜
「はい、出来たよ」
その場であっという間に義骸を作ってしまう彼女に、突っ込むものはもう居ない。
「…はぁ…お前達、後は頼む」
大人しく義骸に入る指令官に、突っ込む勇気がある者も、その場には残念ながら居なかった。
「なんか、大変だね。日番谷隊長」
「俺、彼奴に関わらなくて正解だったのかもな…」
「あれ程美しく無い行動をしているのに、尚美しい彼女の業の深さ故さ…」
「あんた達、黄昏るのはやめなさい」
同じく義骸に入った玲に急かされて去って行く冬獅郎を眺めて、それぞれが小さく溜息を吐いたのだった。