第4章 幼馴染は陰陽師です。 紫原Ver.
紫原が陰陽師だったら
紫「ちん、おはよー」
『敦、おはよー』
私の幼馴染みは、トトロだ。
よく聞かれることだが、小学生まで普通だった。
私の方が大きかった時期もある。
あるのだが…
『はぁ…』
いつの間にか敦は大きくなりすぎた。
苦笑を浮かべる私に気がついたのか、他人には渡さないお菓子を私にはくれるのだ。
『あれ?敦、めずらしいね』
紫「意外と美味しくて」
彼の手元にあったのは、いつものスナック菓子ではなく、ドライフルーツ、干し桃だったのだ。
それを一気に5個から10個以上食べてる姿を見ていると、いつもと代わりがないなともらった干し桃を口の中に放り入れていた。
甘酸っぱい。
だけども昔の味っぽくて、なんだか好きだ。
紫「干し桃ってねー、魔除けや厄除けにもなるからすごい役に立つんだよー」
『え?そうなの?』
紫「そーなの。だから安倍晴明神社には桃が置いてあるんだよー」
そんな話しを説明してくれているうちに、敦の目がどこか睨むようにして見ていた。
紫「だからさっちんはー、妖怪とか狙われにくいのー」
これ持ってて、と渡されたのは干し桃が入った袋。
確かにさつきの苗字に桃が入っている。
だから部活の時に、さつきのそばにいろと言われるのはこれだからなのかと納得しつつ、目の前で干し桃だけで倒した幼馴染みを見ていた。
紫「でも干し桃だけじゃ、飽きる」
と言って、バッグの中からいつも通りスナック菓子を取り出す幼馴染みを見て、笑っていた。
幼馴染みは陰陽師です。
(「部活の時でもを助けたいの。
出来ないからさっちんに任せてるの。
ムチャしないでよね」)
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