第9章 幼馴染は陰陽師です。 火神Ver.
火神が陰陽師だったら
「大我ー
暗くなっちゃったよー?」
まだバスケコートで1人残っている幼馴染に声をかける。
アメリカで家が隣同士、そして互いにバスケが趣味というきっかけから仲良くなったのだが、先に日本に帰るとき、大我に泣かれて困ったのはつい最近に感じていた。
火「あ?もうそんな時間か」
私はプレイヤーを引退し、リコ先輩の元でマネージャーとして彼らを支える役目に励んでいる。
もちろん、バスケをやりたくなる時は大我に声をかけることにしてるし、リコ先輩も私のバスケバカを知っているから、練習に参加させてくれたり、日々満足した生活を過ごしている。
火「ん」
手招きしてくる大我に首を傾げながら、そばまで歩くと手を思いっきり引っ張られた。
突然のことに、対処が出来るわけがなく、大我の胸元に倒れこむように顔を埋め、一気に顔が赤くなるのがわかってきて、文句を言おうと顔を上げて、口を開こうとするのを手で抑えていた。
大我の目が、鋭くナニカを捕らえているから。
同じくアメリカが育ったはずなのに、彼はいつの間にか陰陽師になっていて。
私の周りで彷徨いている、妖怪などを倒してくれる存在になっていた。
近くにあった、バスケットボールを片手で掴むと、何かを唱えるわけでもなく、睨んでいた方に投げると同時に優しくもだが、力強く抱き寄せられることに、少し心がドキドキさせられたのは、秘密だ。