第7章 幼馴染は陰陽師です。 実渕Ver.
実渕が陰陽師だったら
『あれ?
玲央ねぇ?』
実「おはよう、」
『お、おはよう?
朝練は?』
私の幼馴染みである、実渕玲央こと玲央ねぇは1個上の先輩でバスケ部に所属している、かっこいいお兄さん…ではなく、かっこいいお姉さんだ。
そんな玲央ねぇが、朝練のある時間に迎えに来てくれるはずがないと玄関で座りながらこちらを見ている人物へ声をかけた。
実「今日、あなたの運勢が最悪みたいだからお迎えよ
征ちゃんには伝えてあるから大丈夫よ」
『いや、別に赤司君のことを聞いたわけじゃないんだけど…』
玲央ねぇの家は、陰陽師だ。
だから彼も、陰陽師として育てられてきた。
この頃、玲央ねぇを指名する人が増えてきて、大変だと嘆いていた彼をつい最近見た気がする。
『だからって、別に朝練参加する時、一緒にいったのに…』
実「だーめ。
それだと部活をやってる時、は見に来てくれないもの。
どうやって守ればいいのかしら?」
玄関を出て、学校へと歩いていく道のりを雑談しながら進んでいた。
洛山バスケ部は、人気がある。
今年入ってきた、赤司君を筆頭に、今隣にいる玲央ねぇでさえ、女の子たちから人気がある。
そんなバスケ部に見学行くだなんて、勇気は持ち合わせていない。
ため息をつく私を、見ていたのか頭を撫でてくれる玲央ねぇにお礼の言葉を伝えて、少しでも玲央ねぇに朝練に参加してもらえるよう歩みを進めた。
実「。
ちょっと待ってくれるかしら?」
先を歩く私に、玲央ねぇは手を引っ張って引き止めた。
思いっきり引っ張られたため、倒れそうになる私を抱きとめたのは、もちろん幼馴染み。
その幼馴染みが、視線を向ける先には何かがいる。
わからないが、いつもと違う優しさの目ではなく、どこかを睨んで、思わずその目線に冷たさを感じ、身体が震えた。
実「はやくどこかに行ってくれないかしら?
さもないと…」
殺すぞ。
いつもの優しい声ではなく、冷たく低い声。
それでも男らしい口調は、何故だか好きでたまらなかった。
幼馴染みは陰陽師です。
(「私が怖いかしら?」
『ううん、怖くないよ?玲央ねぇ』
「ふふ、ありがとう、
好きよ」)