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【おそ松さん】六つ子の恋人は六つ子ちゃん!?

第4章 雨に濡れたネコ


〜 一松side 〜



気が付けば、傘を差しかけていた。


雨でぬかるんだ地面を両手で必死に掘り、掘った穴に二つに分かれた仔猫を入れ、必死に土で蓋をして墓を作るそいつに…。


一松「(なんでそんな事してんだ…?そんな事したってなんの得にもなんねーだろ…?)」


なのに、何故この女はこんなに必死なんだろうか?


すると自分に雨が当たっていないのに気付いたらしく、女は此方を振り返った。
多少驚いた表情は見せたが、すぐに無表情になる。


少し嫌味っぽく尋ねた。
あぁ、本当にボクはクズだ…こんな喋り方しか出来ない…。
けどそいつはとくに気にした様子もなく、それどころか自分がグロいと言った"モノ"を綺麗と言った。
表情には出さなかったが、そんな返答をしてくると思ってなかったから内心とても驚いた。


自分が同じ立場なら堪えられない…せめて死後くらい良くしてほしい…。
「なんでそこまでするんだ?」と尋ねた自分の問いにそう答えた彼女。


一松「(この女も随分変わってんな…)」


自分も人の事は言えないが…。
自分もネコの…友達の為なら墓ぐらい作るしな…。


一松「オレ…そーゆーのあんま信じてないけど、もしホントに転生とか…生まれ変わりとかあんならさ……」


この下に眠る小さな命を感じたくて墓に手を置く。
あぁ…もし本当に生まれ変わる事が出来たなら……


一松「今度は、長生きして幸せになれるとイイな……コイツ」


自然と顔が綻んだ。
オレの言葉に彼女も頷いた。
フードから少し見える彼女の顔は、薄っすら微笑んでいた。


この時から、気になっていたのかもしれない。
彼女の事が……。





【雨に濡れたネコ】END
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