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炎の月に架かる虹【ONE PIECE】

第10章 華の行動


手に入れた大切なものを壊してしまわぬように。


これは私の決断。


悔いのないようにするために























早朝、誰よりも早く目覚めたラーラ。
その手には琥珀の涙が握られていた。
目に微かな涙を浮かべて。


「さようなら。」


小さく海に呟いた。
決別の涙を零して琥珀の涙を抜いた。
柄の一番上にある琥珀の塊に触れる。
すると琥珀の涙が光った。


「楽しかったわ、でもこれ以上ここにいたら私は…」


だから行くよ。
何があっても大丈夫だから。
忘れないから。
私はいつでもあなたを愛しているから。


「だから全部忘れて。」


琥珀の涙を床に突き刺した。
すると剣に纏った光が地面を舐めるように進んでいく。
全てを覆いつくした瞬間にラーラは何かを呟いた。


「大好き。」


光は再び剣に戻った。
そして悲しみのあまりに泣き崩れるラーラ。
起こしてはいけない。
静かに泣いた。
みんな、目を覚ましたとき、私を知らない・・・。


涙を頬に伝わせながら小船を出した。
自分には使命がある。
自身が死ぬこと。
双剣を還すこと。



「また、やってしまったのね…」


愛するものに忘れられる悲しみ。
愛するものを忘れようとする痛み。
でもこれは全てあなたを守るため。
悲しみから、死から、全部全部あなたのため。


「サボ、守らせて。」
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