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炎の月に架かる虹【ONE PIECE】

第4章 華の言葉


「ラーラちゃんの故郷?」
「あ、口に出てた…。」
「どんなとこなの?」
「もうないの。」
「あ、ごめ…」
「ううん。でも、いい場所だったわ。」


もう廃墟となっている。
海の孤島で寂れているだろう。
人のいない島。
ラーラ自身が壊した。


「ここがラーラちゃんの部屋だよ。」
「隣は?」
「そっちがサボ君で、こっちが私。」
「つまり2人に挟まれてるってこと。」
「安心でしょ?」
「まぁ…」


安心なんかじゃなくていいんだけど。
ラーラは中に入ってみた。
置いてあるものといえばベッドと机くらいだ。
奥にクロゼットもある。


「服は…」
「今着てるのと2着持ってる。」
「じゃあとりあえずそれだけで過ごしてね。遠征途中に買えばいいから。」
「そう…。」


ラーラは荷物を置いて部屋を後にした。


「次は医務室!」
「…。」


怪我しても手当てなんかしなかったしな。
大怪我負ったのはアーシャに襲撃されたときだけだ。
脇腹に翡翠の血が突き刺さったのだ。
そのときはエースに手当てしてもらったっけ?
医務室はラーラたちの部屋と近かった。


「ここだよ。覚えておいてね。」
「記憶力はいい方だから。」
「そだね。サボ君じゃないし。」
「アハハ。」

(あ、笑った。)


コアラのラーラのイメージとは少し違った。
笑わない意地っ張りな人だと思っていた。
感情に支配されない強い女の子なんだと。
でも違った。


「笑うとかわいいね。」
「え…」
「ラーラちゃん笑ってなよ。」
「私は笑うときには笑うわ。そんなに冷たい人間じゃ…」


違う。
私は残酷な人間よ。
一族を消し去った。
人を全て殺した。
私は殺人鬼なのよ・・・。
でも。


「笑うのは楽しいわ。」
「じゃあいっぱい笑ってね。私ラーラちゃんの笑顔好きだから!」
「ありがと。」
「ね、ラーラちゃん。」
「何?」
「私の親友になって!」


私に親友・・・?
いいの?
いいよね。


「うん!よろしくコアラ!」


初めてだった。
親友というものを手に入れたのは。
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