第9章 和婚式
『よし、早瀬、もう一回、特別授業だ。』
『え?』
『今度は、
"好きな相手とするセックスについて"の実技。』
『せんせ…』
『でも、今度は俺は先生じゃないぞ。
お前に惚れてる一人の男、だから。
いちいち、説明や解説なんてしねぇ。
お互いがどうやったら気持ちいいか、
いろいろ試しながら深く知るための実技だ。
俺に、早瀬のことを、もっと教えてくれ。』
『私も、先生のこと、もっと知りたい。』
…どちらからともなく手を繋ぐ。
あの日…卒業式の日の握手を思い出した。
でも。
もう、今度は離さない。
一生、離さない。
いつも"終わり"を意識してきたけど、
やっと"始まり"にたどり着いたんだ。