第9章 和婚式
進路指導室。
『お前の進路指導だったら、
担任の先生にしてもらえよ。』
『岩泉先生じゃなきゃ
答えてもらえないことがあるから。』
『なんだよ。』
『先生、好きです。』
『は?』
『岩泉先生、私のこと、キライですか?』
『好きも嫌いもあるか。大事な生徒の一人だ。』
『そんなありきたりの答え、いりません。』
『ほかに答えようがねーだろ。』
『もう一回、言います。
私、岩泉先生のことが好きです。
先生のそばにいるには、
どんな進路を選んだらいいですか?』
『そんなん、知るか。
俺だってまだ教員採用試験に合格してねーんだ。
講師の立場の俺に、そんな相談、のれねーよ。』
『でも、高校生活、残り1年ないんです。
私、最後まで、先生のこと諦めませんから。』
『…勝手にしろ。』