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ウェディングプランナー(R18) Hi-Q

第27章 ウェディングプランナー



アキとのつきあいは、
すごく穏やかに続いた。

しょっちゅうは会えない。
それはお互い、納得済み。

だから俺、早いうちに
アキに部屋の合鍵を渡した。

"いつでも来いよ"っていう
俺なりの、誠実の証。

そしたら彼女も、合鍵をくれた。

"この部屋には男は入れない"と決めて
引っ越した…という彼女からの合鍵は、
それだけで、俺への信頼の証拠だ。

お互い、休みがあわないから
自分の休みの日に相手の家に行って
飯を作って帰りを待つ、というのが
お決まりのパターンになった。

たまに、仕事帰りに"大将"に寄る。
それがデートといえばデート。

どこかに行きたい、とか
何か買ってほしい、とか
そういった欲求が本当にない人で

そうなると逆に
俺は彼女のことばかり
考えるようになるから面白い。

今度の土日の夕飯は
何を作ったら喜ぶ?

もし遠出するとしたら
どこに連れていこうか?

クリスマスプレゼントくらいは
何かあげたい。何がいいだろう?

"贈り物は、相手のことを思う時間が大事"

彼女は以前、そう言った。
彼女…アキとつきあい始めて、
その言葉の意味がよくわかるんだ。

そして、心のどこかで決めている。
俺がアキに一番贈りたいものは
結婚指輪。

アクセサリーを全くつけない彼女。

そんな彼女が生涯、身につける
たったひとつのアクセサリーは
俺が贈る結婚指輪であってほしい。

いつ、どうやって、プロポーズしよう。

一人で過ごす時間、
何気なくそんなことを考えることも増えて、

でも、
まだ、もう少しは今のままでいいかな、
と思ったりもして。

そうやって時が過ぎていった。

つきあい始めて半年。
年があけ、
チョコレートが行き交う時期を過ぎ、

日差しに温かさが交ざり始めたある日、


会社で、呼ばれた。
3つ左隣の席から。

『おい黒尾、ちょっといいか?』

トーコの旦那。
…今は、俺の直属の上司だ。

『はい。』

誘われるままに廊下へ。
コーヒーを手渡され、
人のいない会議室に入る。

そして、何の前置きもなく言われる。

『早く彼女と結婚した方がいいんじゃねーの?』

…なんで?

彼は、続けて言った。

『お前、転勤願い出してたんだってな。
この春、通りそうだよ。多分、九州支社。』

…え?


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