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ウェディングプランナー(R18) Hi-Q

第27章 ウェディングプランナー



『足りた?』

『…はい。』

『もう、俺以外の男と
キスしたり、手ぇ繋いだりするんじゃねーぞ?』

『…そういっておきながら、
黒尾さん、自分は挨拶がわりに
あっちこっちでキスしたり、ハグしたり、
手を繋いだり、するんじゃないでしょうね?』

『…ダメ?』

『…やっぱ信用できない…
エロ尾さん、さっきのキス、返して下さい…
末代まで祟ります…』

『ウソウソ、ウソだって。顔、怖い!』

二人で顔を見合わせて、笑った。

ふっ…

そして、沈黙。

黒尾さんが、目線をそらし口を開く。

『俺さ、』

自分の手を
握ったり開いたりしながら。

『好きだ、とか
愛してる、とか
そういう言葉、なんか…言えねーんだ。』

あぁ、わかる。
前の彼が既婚者だと知った時、
その言葉が、自分以外の人にも
向けられてたことを想像した。

…誰にでも言える使い勝手のいい、
薄っぺらい言葉だと思ったショックを
私も、忘れられない。

『私も、です。
今までその言葉に託した夢、1つも叶わなかった。』

『…だけど、じゃあ、他に
どんな言葉を使えばいいかも見つけられなくて。
今、あんたに何て言ったらいいかわかんなくて
困ってるんだよね。』

こんなに誠実な告白を
他に、聞いたことがない。

『ちなみに
研磨のプロポーズの言葉、知ってる?』

『…そういえばあのお二人、
ビジネスパートナーだけど
夫婦でもあるんでしたね。
プロポーズ、知らない、です。』

『結婚指輪に、"いてくれないと困るから"
って彫ってあった。しかも、俺が渡した。』

『研磨さんらしい(笑)…でも、すごく心が伝わる。』

『…だよな。
俺も最初見たときは、えーっ?!と思ったけどさ。
今は、研磨の気持ち、ちょっとわかるんだよなぁ。』

無意味な動きを繰り返していた
黒尾さんの両手が止まる。

『言葉がない方が、
もっとシンプルに
気持ちをやりとりできるかもしんねーな、
って思うんだけど。』

…シンプルに。


『こーやって。』

…抱き締められる。


『伝わんねーかな?』

…あぁ、わかる。
寂しかったんだね。
探してたんだね。
弱い自分でいられる場所。

言葉にするのがもったいなくて

私も、抱き締め返した。

…きっと、伝わってる。
同じ気持ち、ってこと。


言葉じゃなくて、
身体で、伝えたい。


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