• テキストサイズ

短編集…あんさんぶるスターズ!【あんスタ】

第29章 お姉様?お姫様?____彼女だよ 朱桜司


「あんず!あれはいったいどうしたのだ!朱桜のあんな顔…………見たことない」


弓道場に入った瞬間蓮巳先輩に『答えろ、答えねば射る』的な感じで弓矢を構えられた。

とっても恐いから今すぐやめてください………


「いや、それは私に水着のモデルのお仕事が来てですね、そのことについて少し口論に…」

「………何だ、仕事か。」


スッと弓矢が下ろされた。蓮巳先輩は黙って弓道場の隅を指さす。

………仕事となれば水着だろうが何でもいいんだなこの人。

先輩が指さした先には、伏見くんが心配そうに声をかけるが全く返事をせず俯いたままの司くんがいた。


「おーい朱桜のとっちゃん坊やー!」


遠くから声をかけても無反応。いつもならむきになって言い返してくるのに。


「おや、あんずさん」

「やっほう伏見くん。朱桜の坊ちゃんは……司くん大丈夫そう?」

「それが、何にも言わないままでして…」


伏見くんは眉を下げる。

司くんは私の声を聞いたからか、少し顔を上げた。


「弓道場で落ち込まないでよ」


そう声をかけたら、ですが…再び俯いた。


「……お姉様は、あのお仕事をされるのですか…?」

「いや、断りたいんだけどいかんせんしつこいんだよね…」

「仕事?」


伏見くんが首を傾げたので説明しようとしたら……

スマホが鳴った。


慌てて蓮巳先輩を見た。集中していて聞こえていないらしい。良かった。つまみ出されるところだった。


番号を見ると…………


「ゲッ」


あの仕事を依頼してきた相手側の番号。


「伏見くん………あんずはいませんって一言言ってブチ切ってくれない…」


訳が分からぬまま、伏見くんはスマホを受けとろうとしたが………

横から、司くんが引ったくった。
/ 683ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp