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恋愛っていいことなの?

第16章 目を冷まさない大切な人


優輝side

俺と美琴は同じ部屋で入院することになった。

先輩たちが事件の事情聴取をしてくれて、

分かったことは、理事長の弟さんは他の親戚

からも頼まれて、今回の事件を起こしたらしい。

そして、美琴と俺の周りには嘘つきがいっぱ

いいたことが、後から分かった。

要の部下が、元カノ。

そして、美琴の従兄弟さんも公安だった。

ちょっとそれを聞いて、人間不振に陥って

しまいそうだった。

事件から1ヶ月経ったが、美琴はまだ目を冷

まさない。

俺は出来るだけ話しかけて、美琴のベッドの

近くに美琴が好きなミニバラを毎日1本ずつ

プレゼントした。

涼介、要、文哉たちも出来るだけ、美琴に

会いに来ている。

涼「なんで、美琴は起きないんだろうな?」

優「それだけ精神的なショックが大きかった

んだろう」

要「俺たちはずっと美琴に話しかけて、こっ

ちに戻りたいと思ってもらうしかないんじゃ

ないか」

文「そうかもしれないな」

涼「俺たちが落ち込んでたらいけなくね?」

優「楽しい話のほうがいいもんな!」

と話していると、美琴が目を開けた。

俺たちは驚いて、すぐにナースコールを押して

優「美琴、目を冷ましたか?」

涼「どこか痛いところはあるか?」と訊くと

美「涼介、この人はだれ?」と俺を指差した。

文「何を言ってんだよ、優輝じゃんか!」

美「えっと? みんなは知り合いなの?」

要「美琴、ここにいる全員の名前を言ってみ

ろ」

美「要、涼介、文哉と、どなたですか?」

優「美琴、本当に俺が分からないのか?」

美「ごめんなさい」

すると、主治医の先生が来て

涼「先生、なぜか優輝のことだけ覚えてない

みたいなんだ」

「何が原因なんだよ!」と詰め寄ると

「仮説ですが、優輝さんが撃たれた瞬間を

美琴さんが見たことで恐怖を感じて、記憶

を消したのかもしれません」

優「それは元に戻るんですか?」

「私には分かりません、人によって個人差

があるからです」

「お役に立てず、すみません」と主治医は

病室を出ていった。

俺もこの現実を受け入れなれず、病室を飛び

出した。
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