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【ハイキュー】エンノシタイモウトこぼれ話

第60章 【烏と狐といろいろの話 その1】


「誰が来るんだ。」

木下の問いに

「それが」

少しためらってから力は言った。

「北さんが来られるって。」

部室内がたちまちのうちに静かになった。
やかましい田中と西谷も黙ったところからもその名の破壊力が想像できよう。

「えーっ。」

そして沈黙を破って叫んだのは意外にも菅原だった。

「主将来ちゃうのっ。」
「俺も驚きました。よくその気になったなって。」
「余程双子が危なっかしいとか。」
「それも、かもしれませんが。」
「おいおい。」
「美沙にメッセ見せてもらったとこによると、北さんも美沙に会ってみたいと仰ったそうで。」
「マジかよ。」
「なあ、それ大丈夫なのか。」

木下が口を挟む。

「大丈夫って。」

聞き返す力に木下はえっと、と呟き

「北さんがどうってんじゃなくて、美沙さんが大丈夫かなって。」
「別に揉めやしないだろ、二口君に会うんじゃあるまいし。」
「お前いつか二口にぶっ飛ばされんじゃね。って、そうじゃなくて、北さんってかなり厳格そうじゃん。」
「まあ、確かに。」
「美沙さんが緊張が頂点に達してふぎゃあってなったり、大ボケかまして怒らせたりしねえか。」
「まさ」

力はまさかと言いかけたがハッとした。

「前者はともかく、後者が確かに危ない。」
「縁下妹は半分ボケだからなあ。」

田中が腕組みをして勝手に頷いている。

「ウシワカに向かって天然ボケって言えるしなっ。」
「西谷、笑い事じゃないから勘弁してくれ。」

宮兄弟への対応の次に結構な心配事であった。

次章へ続く
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