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【ハイキュー】エンノシタイモウトこぼれ話

第42章 【王者の命】その2


「鷲匠先生、まずいことになりました。」
「どうした。」

座ったままじっと斉藤を見上げる鷲匠、ご当人に意図はないのかもしれないがおっかない雰囲気がある。
実際斉藤もそう感じたのか額に汗が浮かんでいた。

「今日の練習試合の撮影をお願いしていた所が急なアクシデントで来れなくなったと。しかも現状他のスタッフさんや他に代理の都合もつかないそうです。」

鷲匠はカーッと吐き捨てた為、斉藤は震え選手も一部ビクッとする。

「ったく、リスク管理がなってねぇなぁ。最近の若い衆ときたら」

ひとしきりブツブツ言う鷲匠だがすぐに切り替わった。

「が、言ってもしゃあねえ。何か他にあてはないんか。」

斉藤はうーんと唸って首を捻る。が、ここでまさかの挙手があった。

「お話中申し訳ありません、提案があります。」

牛島である。

「何だ、若利。」

じろりと見る監督に動じることなく牛島は答えた。

「それなら電脳娘にお願いしてはどうでしょうか。」

こういう時にあだ名―それも自分が勝手につけたもの―を使うのはどうかと思われるが、後に牛島が言う所によると縁下美沙の名前を思い出せなかったので仕方がなかったという。
勿論鷲匠と斉藤は何の話だと首を傾げる。一方で一部選手たちが勝手に反応した。

「え、ままコちゃんが来るの。たのしくなりそーう。」

早速食いついたのは天童、すぐに瀬見がおいと口を挟む。

「あの子にお願いするのかよ。」

呆れながら言う瀬見の言葉を鷲匠は聞き逃さない。

「誰だ。知ってるのか。」

鷲匠にじろりと見られてうっとなりながらも瀬見は烏野の方に目をやった。
絶賛ウォーミングアップ中の烏野、瀬見の目はその中の6番のビブスをつけた約1名を捉えている。
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