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【ハイキュー】エンノシタイモウトこぼれ話

第42章 【王者の命】その2


そんなこんなで少々注目を浴びながらも烏野高校男子排球部は白鳥沢学園高校のバレーボール部が練習している体育館に到着、早々に挨拶をする。

「よろしくお願いしあーっす。」

烏野のよりも大分広い体育館に野郎共の気合の入った声が響く。
見合う両チーム、相手が相手だからかとても練習試合の雰囲気ではない。
烏野の部員全員は勿論、烏養と武田も少々緊張した空気になる中でまずはウォーミングアップが始まった。


一方、白鳥沢の方は流石というべきか特に動揺する様子もなくいつもどおりといった風にウォーミングアップをしている、はずだったのだが

「ちょっとちょっと烏野の方女子マネいるじゃん、それも2人、美女と可愛い系っ。」

天童覚が声を上げている。

「天童うっせぇぞ、ちゃんとやれ。」

注意するのはセッターの瀬見英太、ったくと呟く様子はまるで面倒な弟を世話する兄である。

「英太クンは興味ないのー。」
「なくもないけど今はそれどころじゃねぇし監督にどやされたくもねぇ。」
「てかままコちゃんがいないヨネー。」
「いたらおかしいだろ馬鹿ヤロ、バレー部じゃないのに。」
「あれ、そーだっけ。」
「何かにつけて烏野の連中と一緒にいるからつい忘れるけどパソコン部つってなかったか。」
「そーだったカナー。」
「瀬見、天童、私語を慎め。」

とうとう最強の主将である牛島若利が口を開き、天童と瀬見は口を閉じる。
ちょうど良いタイミングだったかもしれない、監督の鷲匠鍛治がそろそろ怒鳴ろうとしている所だったから。

そうして彼らがウォーミングアップを進めている所でふいに誰かの携帯電話が振動する。
おや、と言った様子で電話を取り出して応答したのは白鳥沢のコーチ、斉藤明だった。

「はい斉藤です。あ、お世話になっております。はい、ええ、えっ。」

ふいに驚いた顔になった斉藤、白鳥沢の選手達は思わずじぃっとその様子を見つめる。

「どうしても、ですか。他のスタッフさんとかまたは代理でどなたか紹介していただけるとかは。」

代替案を尋ねる斉藤だがどうやら難しいと返されたようだ。

「わかりました、こちらでも検討します。また何かあったらご連絡します。」

斉藤は言ってピッと電話を切る。
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