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【ハイキュー】エンノシタイモウトこぼれ話

第40章 【トラブルドゥトラベリング】その6


「何やおもろない。」
「ほな私部屋帰」
「まだアカンでー。せっかくここまで引っ張り出したんやから。」
「私は押入れの奥に詰め込まれとったにんぎょさん(人形さん)か。」
「兄貴は完璧ににんぎょさん扱いやんな。」
「治さんに言われるて、もううちの兄さん型なしやないの。」
「ほなにんぎょさんはもうちょっと一緒に遊ぼか。」
「にんぎょさん言いな。」
「ままコちゃん、写真撮ろ。」
「昼撮りましたやん。」
「足らへん。」
「侑さん、相方さんがおかしいです。」
「サム、よう言うた。」
「あかんっこの人らホンマあかんっ。」

美沙は呟き、心の中で兄さん助けてーっと叫ぶのであった。


その後美沙はしばらくの間宮兄弟に散々弄られていて、部屋に戻った時はヘロヘロになっていてすぐ布団に倒れ込んだという。
多くの女子からすれば羨ましい事であるが兎にも角にも義兄至上主義の美沙としては難儀以外何者でもないことはここで改めて述べておこう。


そうやって稲荷崎に遭遇してとんでもない事がいくつも起こった大波乱の中、烏野高校1年生の京都行き修学旅行は終わりを迎える。

「うわぁ」

帰りの乗り物の中で谷地が呟く。

「美沙さんが死んでる。」

縁下美沙は座席でぐったりとしていた。目が昇天しているも同然の状態である。

「そりゃあねぇ。」

山口が苦笑した。

「あんだけの事があったら。しかも稲荷崎の人達、こっちが帰る時も美沙さんにめっちゃ手ぇ振ってたし。」
「引き寄せ体質なんだから仕方ないじゃん。寧ろ僕らが巻き込まれて超迷惑。」
「の割にツッキーちゃんとつきあってたよね。」
「別に。僕がいなかったら余計ややこしくなってたってだけ。」
「また月島語って言われちゃうね。」
「谷地さんまで勘弁してほしいんだけど。」
「というか帰るまでに美沙さん生き返るかなぁ。」
「マジで死んでる訳じゃなし、ほっときゃそのうち復活するでしょ。」
「ツッキーが何か言ったら即反応したりして。」
「山口君、それはどうかと。」
「ハァ、意味わかんないんだけど。僕としては静かで好都合だよ。日向や影山は単純だからどうとでもなるけどままコさんは口が回るから質(たち)悪い。」
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