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【ハイキュー】エンノシタイモウトこぼれ話

第40章 【トラブルドゥトラベリング】その6


稲荷崎男子の中には宮兄弟に向かってお前ら何してんねん主将にどつかれるぞと笑いながら言ってくるのもいて宮侑が北さんに言うたらしばくぞと返している。

そんな中で縁下美沙はぽそっと呟いた。

「何でこないなった。」
「美沙さん、気をしっかり。」

そんな美沙の背中を谷地がさすってやるのだった。


とりあえず謎の一行はロビーについた。

「もーままコちゃんがツンデレやからえらい手間かかったやん。」

たまたま空いていた座るやいなや宮侑が口を開く。

「私がツンデレとかそういう問題ちゃうし、ちゅうかツンデレちゃいますっ。」

どさくさ紛れに肩を掴もうとする侑の手を反射的に避けながら美沙は返す。
何だか宮城でも見たような図だ。

「ままコさん、いい加減そこは認めてくんない。毎度毎度その手のやりとり聞いてる方が面倒くさい。」
「いくら私でも月島にフォロー期待するほど阿呆ちゃうけどやっぱり腹立つ月島語。」
「こいつ。」
「ツッキー、落ち着いて。」
「お前何でままコに言われた時はそんなすぐキレるんだ。」
「は、別にキレてないんだケド。」
「そこ素直に認めねぇと美沙の事言えなくね。って、いででででで月島やめろ頭掴むなっ。」
「月島君ほんとそのへんで、ね。」
「まったく。」
「ままコちゃんとこは宮城でもあんなんか。」
「さぁ、男バレがいつもどないなんかまでは流石にわからんです。」

侑に続いて肩に触れてこようとする宮治の手を避けながら答える美沙は慣れている感がある。
昼間は不意打ちを食ったようなものの上に義兄の力から電話はかかってくるしと動揺する要素が多くて避けられなかったが、日頃及川に追いかけられている賜物だろう。

「ツムそっちや。」
「あかーん。」
「ド下手。」
「うっさいねん。」
「あ。」
「お前も逃げられてるやないか。」
「何あれ、まるっきり鮎か山女魚(やまめ)のつかみ取り。」
「いや鰻ちゃうか、小作どない思う。」
「鰻ほどクネクネしてへんと思う。」

勿論美沙は全部聞こえている。
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