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【ハイキュー】エンノシタイモウトこぼれ話

第40章 【トラブルドゥトラベリング】その6


が、人間の体はよく出来たもので早々気絶などはしない。

「マネちゃんもこんばんはぁ。」
「ひぃぃっ、こ、こんばんはっ。」
「ツム、人相が悪いのにアップにしたんなや。」
「誰が人相悪いねんっ、それお前やろがいっ。」
「そんな事ないやんなぁ。」
「いええ、いや、あのはいいいえっ。」
「はいいいえて。」

侑がブワッハッハッハと笑うが谷地は笑い事ではなかっただろうし勿論来ちゃ駄目と言われた美沙も笑い事ではない。もう即刻突っ込みを入れたい状態である。

「ところでままコちゃんおる。」
「おるやんな、思い切り声したもん。」
「いい、いらっしゃいますけどはいっ。」
「呼んでー。」

にっこり笑って要求してくる侑に谷地は

「だっ、駄目ですっ。」

頑張って拒否してくれた。

「えー何で。」

不満そうに治が言う。

「ええええ縁下さんから仰(おお)せつかってるんですっ、宿泊中は絶対美沙さんを排球部以外の男子に近づけちゃ駄目ってっ。」

途端に宮兄弟はブーッと吹き出し、同時に同室の女子達も美沙の側で吹き出す。

「笑わんといて。」

美沙はぽつりと呟く。こっちだって恥ずかしい。

「おいまま兄(あに)君、そんなん言うてんのっ。」
「どんだけ妹好きやねん。」

ええいやかましいと美沙は突っ込みたいが頑張って我慢する。おそらくここで自分が出てきてしまえば宮兄弟が暴走するのは目に見えていた。
だがしかし谷地を矢面に立たせたままというのもまずい。同室の女子達も縁下さんどうすんのあの人達引き寄せちゃったんでしょ、と言ってくる。

「とにかく駄目ですぅぅぅ、私縁下さんに殺されちゃいますぅぅぅ。」

今頃谷地は恐らく涙目だ。
いや殺しゃせんけどと美沙は脳内突っ込みをしつつもどないしょうどないしょうと考える。

「殺すて大袈裟やな。」
「や待てツム、昼にままコちゃんが及川君に写真誤送信して電話かけてきよった奴やろ、有り得るで。」

うちの兄さんを何やとっ、と突っ込みたいがそれどころではない。同室の女子達がとうとうこれ私達じゃ対処しきれなくねと言い出し、そこで美沙はハッとした。
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