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【ハイキュー】エンノシタイモウトこぼれ話

第35章 【トラブルドゥトラベリング】その1


いきなりであるが烏野高校の1年生は修学旅行の日が近づいていた。行き先は京都である。
本来時期的におかしいとか行き先について他諸々の細かい事はおいておこう。

「大丈夫かな。」

そんなある日の放課後、お馴染み烏野高校男子排球部での事である。
縁下力が休憩時間に呟いていた。

「だしぬけにどうした。」

2年生仲間の成田一仁が尋ね、いやそれがさと力は続ける。

「1年は今度修学旅行だろ。」

聞いた瞬間成田を始め他の2年生、木下久志、田中龍之介、西谷夕の3人もああと察した様子を見せた。

「はいはいまた美沙さんの心配だな。」

笑顔で流す成田に対し力はムッとするが流されても無理はない。
マネージャー谷地仁花と同じ1年5組の縁下美沙は両親はおらず育ててくれた祖母を亡くし親戚には見放された所を縁下家に引き取られて烏野高校に編入した。
そんななかなかの経歴を持つ関西弁の少女はつまり縁下力の義妹となった訳だがその
義妹を力は溺愛している。
普段は今までどおり特に問題がなく部内のハイテンションもしくは単細胞組の抑えにかかったりしている力だが義妹が絡むと田中龍之介ですら突っ込みに回るという異常事態が起きるのだ。

しかも縁下美沙はどういう訳か他校の男子バレーボール部関係者を何かにつけて引き寄せ、そいつらに弄られたりセクハラされたり喧嘩をしたりしては混沌をもたらすので事は余計にややこしい。
とはいえ男子排球部の面々は縁下美沙をほぼ好意的に受け入れている。結局の所基本は義妹に誰か男子が近付こうものなら無駄に警戒する義兄、力に手を焼いている状況だった。

「今度は何の心配だよ。」

次に尋ねるのは木下である。

「俺の見てない所で1年の男子に何かされたりしないかなって。」
「いやさすがにそれはなくね。」

木下は言うも力は首を横に振った。予想でもしていたのか成田と田中は悟りを開いたような顔をしている。西谷は黙っているがこれは単に何も考えていないだけだろう。

「文化祭でロリ服コスプレして以来まだ声かけてくる奴がいるみたいだから油断できない。それに行き先が京都だろ、人が集まる観光地なんかに行ったら誰引き寄せるやらわかったもんじゃないしな。」
「いや待て落ち着け縁下」

流石に慌てたのか田中が口を挟んだ。
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