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【ハイキュー】エンノシタイモウトこぼれ話

第31章 【強引g his way】その2


「正確には義理のです。私生まれた時から両親がいなくて関西弁のばあちゃんに育ててもらったんですけどそのばあちゃんも亡くなって親戚も引き取れないっていう所へ母のお友達だった縁下さんちに引き取られたんで。」

さらっと語る美沙、そして恒例の事が起きた。
聞かされた滝ノ上と嶋田がピシッと固まった。少しの間2人はそのまま固まっていたがやがて硬直が解けて目からブシュッと塩水があふれる。
途端滝ノ上がうおおおおおおと号泣、嶋田もうつむき片腕で両目を押さえてくっと密かに泣いていた。
事態を予想していた烏養はあーうるせえうるせえと呟きながら両耳に指を突っ込んで他所を向いており田中冴子はアハハハと面白がっている。

「テンプレお約束が発生した。」

一方美沙は大の大人2人が同時に泣き出してしまった為困惑し義兄を見上げる。

「何でこないなるん。」
「お前の身の上はまあまあ重いから。」
「とりあえずお兄さん方をあのままにするんはどうなんやろ。」
「烏養さんがほっといてるくらいだからいいんじゃないか。」

義兄妹がそんな事を話していると滝ノ上がババッと振り向いた。
とりあえず鼻は拭いた方がよいと思われる。

「悪かったな何か色々勘ぐちまってっ。」
「や、別に私」
「何かあったら相談に乗ってやっからなっ。なっ嶋田っ。」
「おうっ。」
「ええと、ありがとうございます。」
「縁下も仲良くやれよっ。」
「勿論です。」
「心配すんなたっつぁん、強引にここへ妹連れてくるくらいだから。」
「嶋田さん、大丈夫ですか。」
「あ、忠。悪いな変なとこ見せて。てか繋心があそこまで言うって一体何があったんだ。」
「ええと今までにもう色々あったんですけど今回については縁下さんが美沙さん連れてくって聞かなくて無言の圧で烏養さんを押し切っちゃいました。」
「マジデスカ。」
「とりあえずさー」

途中山口まで混じった一連のやり取りを聞きながら冴子が言った。

「お2人さんは早く鼻拭きなよ、女子もいるんだよー。」
「スミマセン。」
「美沙は大丈夫かい。」
「ええって兄さん、いちいち私まで拭かんでも。」
「いいからじっとしてな。」
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