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【ハイキュー】エンノシタイモウトこぼれ話

第31章 【強引g his way】その2


部員連中は多少落ち着いてきたが大人達はまだ多くが困惑していた。

「繋心、これどういう状況。」

嶋田が呟く。

「何かあの縁下の妹だっけ、伊達工とやりあってんだけど。」

滝ノ上のこめかみからは汗が一筋流れている。

「聞くな、いつものことだ。」

烏養は頭を抱えている。

「いつもなのか。」
「どうも俺の知らないトコで他校のバレー部と関わってるらしい。」
「じゃ他校に会う度あのレベルの喧嘩。」

ビビったように尋ねる嶋田に烏養はいや、と答えた。

「伊達工とは喧嘩になるみてぇだが他のパターンもあってな。」
「どんなだよ。」
「驚くんじゃねーぞたっつぁん、青城の及川が追っかけファンで他の選手も一部固定ファン、音駒は縁下妹連れてこい要請、梟谷は縁下経由で赤葦と繋がってて木兎が気に入ってるし挙げ句の果てにゃ白鳥沢とも顔を合わせりゃ話をするらしい。」
「白鳥沢もってすごすぎだろ、驚くな言う方が無理だわ。」
「というか音駒が連れてこい要請って、猫又先生とか直井が止めないか普通。」
「俺に聞くな嶋田、逆にこっちが聞きてぇ心境だ。」

深々とため息をつく烏養に後よ、と滝ノ上が言った。

「さっきからあいつら言ってる妹にしただの死にたくないのなんのって何だよ。」

烏養は迷ったようにあーと呟きしかし意を決したのか義兄によしよしと頭を撫でられている美沙に目を向ける。

「そいつぁ本人から聞いた方がはえぇ。そんかわり騒ぐなよ、特にたっつぁんな。」
「どーゆー意味だよっ。」
「文字通りだろ。」

叫ぶ滝ノ上にばっさり切り捨てる嶋田を置いておき烏養はおーいと美沙に呼びかけた。

「縁下妹ー、ちょっとこっち来い。」

呼ばれた美沙はノソノソとやってくる。きっちり義兄の力がついてきているが烏養はそこには言及しなかった。
面倒くさかったのかもしれない。

「何でしょう。」

関西弁の抑揚まんまで尋ねる美沙に烏養は同級生達を視線で促す。

「あーやーその」

滝ノ上が少々言いにくそうに切り出した。

「ずっと気になってたんだけど、お前ら本当に兄妹なのかなって。」

隣で嶋田がうんうんと首を縦に振り一方の美沙はああといつもどおり動揺する事なく呟いた。
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