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【ハイキュー】エンノシタイモウトこぼれ話

第26章 【パニック at the 文化祭 後編 その2】


そういう訳で美沙はもうええ加減知ってる他校のバレー部が来ませんようにと祈っていたが当然今度もそれは叶わない。

「来るとこまで来ちゃった。」

山口がガクガクブルブルしながら呟き同じくガクガクブルブルしながら谷地がうなずきまくる。

「釣りじゃあるまいしとんだ大物だよ。」

皮肉たっぷりに言う月島は頬のあたりが痙攣(けいれん)している。

「何、ままコさんは優秀なルアーか何かなの。」
「とうとうウシワカ引当てちゃった。」
「まさかウシワカさん達も美沙さん目当て。」
「もしそうだったらドン引き。どっちにしろあれもままコさん担当決定だね。」
「ツッキー、駄目だよ美沙さんと縁下さん両方に怒られるよ。」
「どうせあんなの他の奴の手に負えないしままコさんはゴタクサ言いながら結局やるから一緒。」

月島が言っている間にも美沙はもう逃げ出したい心境であった。
とどめ刺しに来られた気分やと思う。白鳥沢まで来てしまっては無理もあるまい。ルンタッタしている様子の天童の姿が目の端に映るし何より牛島が目立つ目立つ。客の中にバレーの事に詳しくなくても知っている奴がわりといたのかやべウシワカだ、牛島君だ、格好いいヤバイしんどいとかざわついているのがいる。
逃げたいのはやまやまであるがとにかく今度こそバレへんはずと美沙は思う。喋らんかったらウシワカさんは間違いなく気ぃ付かへんし他の人かてきっとわからん、ちょっと危ないんは天童さんやけどあの人は気まぐれっぽいからこっちもいけるやろ、という考えだ。

当然のようにその考えは無駄になった。

「いらっしゃいませー。」

結局美沙は彼らの対応をする事になったのだ。ウシワカこと牛島若利率いる集団に気圧されてしまったのか他の接客担当が若干引いてしまい、影山をして何気に親切と言われる美沙は放置しておけないと判断、動かざるを得なかったのである。

「空いているお席へご案内しまーす。」

正直ドロワーズがはみ出ているロリータ服姿はこいつらにこそ見られたくないものであったが仕方がない。それにしても既に天童が怪しんでいる風に見えるのは気のせいか。
気のせいと思いたいと思いながら美沙は白鳥沢の連中を案内する。物珍しそうにキョロキョロする牛島の姿が面白いとチラっと思った。
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