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【ハイキュー】エンノシタイモウトこぼれ話

第24章 【パニック at the 文化祭】中編


力は開き直って取り合わない。既に指摘されている通り義妹は東西南北問わず他校のバレーボール部に顔を知られているわ一部追っかけまで発生しているわなのだ、それがフリフリのロリータ服を着て―しかも似合っている―人前に出ているなど心配以外の何者でもない。早く行かねばと混み気味の中コスプレ喫茶が開かれている教室に辿り着くと結構並んでいた。はやる気持ちを抑えて力は成田、木下と共に最後尾に並ぶのだった。

美沙は義兄とその仲間達が来ているとは知らずに接客に奮闘していた。想像以上に盛況で忙しい。おまけにどういう訳か何度か知らない野郎に手を握られて後で時間空いてるかなどと聞かれた。適当にごまかしてやり過ごしたが通常ならふぎゃああっと叫んで騒いでしまう所である。そうこうしているうちにまた客が入ってきた。

「いらっしゃいませー。」

美沙は頑張って明るい声を出してみたが、

「って、ゲッ。」
「ゲッて何だ。」

微笑んで返すのは義兄の力だった。おまけに成田と木下もいる。やあと挨拶しつつ苦笑しているあたり義兄が心配でついてきたのだろう。
美沙はゴニョゴニョとや、別に何もないと言って持っていた丸盆で口元を隠す。当然無意識の行動なのであるが義兄がコラと呟いた。

「お前はまた。」
「へ、何が。」

美沙は首を傾げる。

「何で他所様に見えるとこで萌ポイントを晒すかな。」
「何の話。」

疑問形で言う美沙だが力は聞く気がないようである。

「それより大丈夫か、変なのに絡まれてないだろうな。」
「大丈夫やよ、ちゅうかむしろ兄さんこそ大丈夫。」

既に絡まれているがここで言うと力の事だ、いきなり美沙をここから連れ出しかねない。義兄は美沙の発言の後半部分を明らかに無視してそうと呟きながら成田、木下と一緒に空いた席に座る。
そして他の接客担当連中からあ、お兄さんだやっぱりか絶対妹見に来ると思ってたとか好き勝手なコメントが聞こえてきたし他の客からも何だ何だという視線を感じる。流石の美沙も恥ずかしいことこの上なかった。

「その、」

とにかくこの状況から脱したい一心で美沙は言った。

「とりあえずご注文をお伺いします。」
「そうだな、えーと」
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