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【ハイキュー】エンノシタイモウトこぼれ話

第16章 【どうしてこうなった】中編


「痛いよ岩ちゃんっ。」
「うるせえっ速攻飛んでいくなっ。」
「おー、ままコじゃねえの。元気してたみたいだなー。」
「めちゃくちゃ息切らしてるみたいだけど。」
「ちっ、あの嫁何で来た。」
「だ、大丈夫なのかあれ倒れたりしねえかな。」
「ままコ。ちっ。」
「京谷はどうしたの。」
「あれだ渡、飴あげようって思ったら今持ってる訳もないから舌打ちしてる。」
「何気にあの子のファンなんだな。」

監督、コーチ陣の困惑は言うまでもあるまい。

「こらあお前ら騒ぐんじゃねーっボゲェッ。」

溝口が怒鳴り、入畑が岩泉を見る。

「あれは何かな。」
「及川が追っかけてるネットアイドルっす。」
「ネットアイドルちゃうもんっ。」
「息切れしてる癖にきっちり聞き取って突っ込んでじゃねえこの半分ボケがっ。」
「先生、どうしてこうなった。」
「僕も予想外です烏養君、まさか美沙さんがああするとは。」

ったくようとため息をつき烏養は美沙のところへ行きかけるが武田がそれを止めた。

「僕が行ってきます、烏養君。うちの生徒ですしね。」

にっこり笑う武田にこの時烏養は一瞬ゾワッとしたという。


そういう訳で縁下兄妹はスタスタとやってきた武田に恐怖する事になる。

「ああああすみませんすみません、すぐ失礼しますっ。」
「うちの妹が申し訳ありませんっ、もう帰らせますからっ。」

大慌てになる義兄妹に対して武田は静かに美沙を見つめる。マジで怖いと兄妹は戦慄した。

「美沙さん。」
「は、はい。」
「お兄さんを思う気持ちは結構ですが相手があることなので状況はちゃんと考えないといけませんよ。」
「申し訳ないです。」

美沙はわかったなら早く帰りなさいと言われると思ったが武田は意外な事を言った。

「まあここまで来たのなら上で見学させてもらいなさい。その代わり試合見学後の感想文を書いてお休み明けに僕まで提出、いいですね。」
「はい。」

美沙はダラダラと冷や汗をかきながら返事をし、義兄の力はありがとうございますとぎこちなく呟いていた。
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