第20章 学園島
学園島周辺はセプター4が包囲していた。
ヘリを操縦しているウサギの能力でヘリを消し、学園島上空に辿り着いた。
「お嬢様、お気をつけて。」
怜「ありがとう。」
怜はドアを開けると、多々良の腕を引っ張って飛び降りた。
多々良「ねぇ怜ちゃん。これは着地方法は決めてるのかな?」
怜「決めてない。」
多々良「そういう所嫌いじゃないよ!」
スタンッと一番見通しの良い高い建物の屋根上に着地する怜。
もちろん多々良を抱えて。
怜「・・・思ったより人がいるね・・。」
多々良「・・・皆いる・・。」
キィンッと耳鳴りがして、怜はそっちを向く。
多々良「・・・怜ちゃん・・?」
怜「・・・いる。」
多々良「・・・え?」
怜「そう・・・そういうタイプなのね。」
怜は多々良を降ろし、端末を開く。
怜「私よ。アレを持って来て。落としてくれれば構わない。・・・えぇ、問題ないわ。ただ、建設費を考慮しなくちゃならないかもね。」
それだけ言うと端末を切り、投げ捨てた怜。
多々良「え、端末は?」
怜「いらない。連絡来たって邪魔。・・・来る。」
怜がそう告げたと同時に、ドォオオンッと爆発音が響く。
建物が突然爆発したのだ。
多々良「・・・!?」
怜「多々良、吠舞羅で爆弾を作れる人は?」
多々良「え?・・誰も作れるとは思えないけど、強いて言えば草薙さんくらいかな。でも、草薙さんはこんな事しない。・・・!無色の王!」
怜「おいで。」
怜はそう言って宙に手を伸ばす。
多々良「・・・?」
怜「ジワジワとあぶり出してあげる。・・・精々足掻けばいいわ。」
そう言って笑う怜は造形品のように美しくて、十束はゾッとした。