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白いアリスは彷徨う

第31章 新世界















目を覚ますと、暗かった。





カーテンの閉まってない窓。


あぁ、今は夜なのかと気付く。





むくりと起き上がってみると、ベッドの端で猿比古が眠っていた。





「・・・。」




そっと頭を撫でる。




猿比古「・・・ん・・。」






布団を猿比古に被せて部屋を出た。


























「そんなとこに座り込んでたら、冷えちゃうよ?」



ふわりとかかったカーディガン。



「・・・おはよう、怜。」

怜「・・・おはよう。多々良、仁多。」
多々良「幼くなった時の記憶はある?」
怜「ある。・・・迷惑かけてごめんね。」


仁多「・・・そんなに石盤見て、どうしたの?」


多々良の後ろからひょっこり顔を出した仁多。





怜「・・・石盤が、騒いでて。」

多々良「・・・!」




よく石盤を見てみると、



白銀、赤、青、灰色、緑、透明な炎がゆらゆらと石盤から漏れている。





怜「・・・王に力を返したがってて。」
仁多「・・・青の王に返せば、落ちるよ。剣。」
怜「わかってる。だから、抑えてる。」


多々良「怜、それ・・・。」
怜「王は、必要な存在。でも、公に誇示していい力でもないと思ってる。」
仁多「・・・どうすんの?」
怜「何とでもする、かな。」




多々良「・・・怜、冷えちゃうからベッドに戻ろう?」
怜「うん、そうする。」




すくっと立ち上がると窓を見る怜。






怜「・・・多々良と仁多も出かけないで寝なよ?」

多々良「あはは・・・バレてた?」
怜「外、まだ寒いから。」
仁多「ありがと、怜。」








ペタペタと怜は部屋に戻って行く。





多々良「・・・怜からお咎め出ちゃったし、諦めよっか。」
仁多「・・いいのか?吠舞羅、行かなくて。」
多々良「うん。また今度でいいよ。」








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