第9章 これから
私がいくら血を吸っても優は貧血になることもなかった。
ただ、私のために嫌がることなく血を与えてくれるのはありがたい。一切、私を怖がることもない。
もちろん、シノアたちもそうだが。
優は、女の子の首元に傷を作るのはよくないし、ましてや、与一は少し頼りなく、君月の血は美味しくなさそうだとかいって、他の人に血を吸わせないようにしている。
私は、今日も血を吸う。
優は、そっと抱き寄せてくれる。
心地よくて安心できる。
そのおかげか、私の精神的な面も次第に安定していった。
来週からは、戦場に出てもよいと許可がおりた。
再び、仲間と共に戦えることを誇りに思う反面、同じようなことにならないように、すなわち、鬼に喰われないようにしなければならないと心配に思う。
そんな私の心情を察したのか、シノアはいつものように大丈夫ですよと、言ってくれる。
ふざけることも多いシノアだが、やはり、リーダーとしても、尊敬できる相手だ。