第8章 吸血鬼
「みやび、、ずっと血飲んでないんだろ?飲めよ」
「い、いや、、飲まない」
私は完全拒否。
優は呆れた顔をする。
そして、何かを取り出した。
「そう言うと思ってたから、これ」
そこにあったのは、血だった。
たくさんの血がそこにはあった。
「なに、、これ、、誰の血なの?」
「これは、ミカとクルルのだ。ミカもお前と一緒で人間の血を飲みたがらなかった。その時飲んでいたのが、このクルルの血。ただ、クルルの血だけじゃ足りないかもしれないからミカの血も少し」
でも、やっぱり飲みたくないと思ったが、身体はそれを欲する。
身体は言うことを聞かず、手はそれを受け取ろうとする。
そして、受け取るとすぐにふたを開けて一気に飲み干してしまう。
私は血を飲んだ。
これまでの苦しみは何だったのだと疑ってしまうほどの、気分の良さは何なのだ。
私は血を飲まないと生きられない吸血鬼なのだ。
そう実感した。
「優。こんな私に、これから血を恵んで欲しい」
これが、吸血鬼になった私の答えだった。
「そのつもりだ」
優は笑顔で引き受けてくれた。