• テキストサイズ

終わりのセラフ

第8章 吸血鬼




「おい!!みやび!おい!!起きろ!!」


私はいつの間にか寝ていたみたいだった。
目を開ければそこには、優がいた。

全身の血が騒ぐ。

美味しそうな血の匂い。
吸血鬼の嗅覚はこんな匂いまで嗅げるのか。

息が荒くなる。

だめだ。このままでは優の血を飲んでしまいそう。

そう思った時はもう遅かった。

私は優に飛びつき、首筋をかじる。

優は驚いた顔を見せたが、すぐに優しい笑顔で言った。

「ごめんな。大丈夫だから、好きなだけ飲め」

優は優しく私を抱いて、頭を撫でる。
とても、落ち着いた。だから、私は冷静になれた。

かじったものの、血は吸わず、顔をあげる。

やっぱり私には血が飲めなかった。
こんな状態になっても、飲むのは嫌だった。

/ 133ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp