My important place【D.Gray-man】
第45章 10/31Halloween(番外編)
「それじゃ昼間と大して変わんねーじゃん!もっと気合い入れろよ!もっとこう、露出多めにしたりとかさぁ…!」
「それ思いっきりラビの願望でしょ。セクハラですよ」
わなわなと両手を震わせ不満を漏らすラビの隣で、にこやかな笑顔を浮かべたままアレンが冷たく言い放つ。
確かにラビの言う通り、昼間のセーターのような独特のデザインではないが、あまり変わり映えのない雪の姿。
狼の姿に合わせてジェリーが着せたのだろう、ふわふわのVネックのセーターは可愛げはあるがハロウィンという特別感はない。
「フン。だからお前は青いんじゃ」
「なんさジジイ。干からびたジジイにゃオレの気持ちなんてわかんねぇって」
「干からびてなどおらんわ!」
「イデッ!」
そこへ煙草を吹かしながら顔を覗かせたのは、今回唯一エクソシスト組の中で参加を断ったブックマン。
ハロウィンで菓子を貰うには歳を重ね過ぎていることもあろうが、骸骨のようにコツコツの体になってしまった彼を外で連れ回すのは、さすがに雪も気が退けた。
しかし体は骨と皮になってしまっていても、以前のブックマンは健在らしい。
ラビの頭に飛び膝蹴りを落とす姿は見事の一言。
「あからさまな露出だけが女体の魅力ではないわ。それもわからんお前はまだまだ青臭い餓鬼じゃ」
「女体言わないで、ブックマン。なんか生々しいから」
「それに出す所は出しておろうが。女体は比率が大事なんじゃ、比率がの」
「ねぇ聞いてる?人の足指差して力説しないでくれるかな」
はい、と今度は雪が挙手して問いかけてみるも、綺麗にスルーされる始末。
そんなブックマンに多少の不満はありつつも、雪はそれ以上深く突っ込まなかった。
女体の何がどうだと語る話題に突っ込む気力がなかったのも理由の一つだが、それ以上にブックマンがブックマンであったから。
あの地下の独房で顔を覗かせた、ただの情報として雪を見る目は彼の瞳には表れていない。
だからと言って、何かが解決した訳ではないけれど。
それでも雪がただのファインダーであった頃と変わらない態度を見せるブックマンには、多少の安堵があった。
"情報"として見定め続けられるよりは、ずっといい。