My important place【D.Gray-man】
第45章 10/31Halloween(番外編)
「なら触れなきゃいいだろ」
「それは、勿論……で、でも…いっぱいっぱいになると、周りが見えなくなる時が…ある、から…」
「…見えなくなればいいだろ」
照れた様子で口篭る雪に、神田の声が自然と低さを増す。
寧ろ見えなくなればいい。
他を気遣う余裕さえなくなるくらい、目の前の自分しか目に映らなくなればいい。
「俺はその方がいい。溺れてる雪が見たい」
「っ…だ、からって」
「だから、」
それでも尚、抵抗しようとする雪の言葉を遮る。
「心配なら余所でも向いてろ」
「え?…っあ、」
繋がったまま、体に負担を掛けないように雪の体勢を変える。
ベッドと向き合わせるように反転させれば、両手を目の前のシーツに付きながら、雪はぎこちなく振り返った。
「っこの体勢でするの?シーツが汚れるよ…」
「俺の体傷付けんのとシーツ汚すのと、どっちが嫌なんだよ」
「…このままでいい」
呆れて問えば、おずおずと血で染まった手をシーツに付いたまま背を向ける雪。
その姿に、神田は微かに眉を寄せた。
ドクリドクリと血脈が沸く。
これは紛れもない性欲の現れだ。
なのに食欲に似た血を欲する思いがあるのだから、余計に厄介である。
真正面から快楽に溺れる雪の姿を見なければ抑えられるだろうとも思ったが、独自のデザインであるセーターでは晒される背中が眩しく映る。
その柔らかい肌に齧り付きたい衝動に駆られ、ぐっと鋭い犬歯を噛み締めた。
「………」
「ユウ?」
「…なんでもない」
欲から目を逸らすように、目の前の雪の温かい蜜壷に集中する。
それこそ見えなくなればいいと願った。
目の前の雪の体を貪ることだけに目が向いていれば、変な薬で植え付けられた血への欲求も抑えられるはず。
「っ」
「ん、ぁ、あ…ッ」
腰を掴み、陰茎を深くゆっくりと味わうように蜜の中へと更に犯し進める。
強くシーツを握り締め素肌と獣の耳と尾を震わす雪の背に、神田の瞳は色濃く血色を帯びた。