My important place【D.Gray-man】
第45章 10/31Halloween(番外編)
「言っただろ、こんなもんすぐに治る」
「だからって、ユウの体を傷付けたことに変わりないよ…ごめん…」
「わざとじゃねぇだろ。気付いてなかったんだし」
「でも…っ」
確かに背中はじくじくと痛むが、意識すれば痛む程度で気にする程でもない。
元より痛みには慣れているし、第二使徒の体ならば一日で治るだろう。
しかし冷静に言い聞かせても、雪の罪悪感は拭えないらしい。
確かに両手を赤く染める程に出血してしまえば、無視しろと言う方が無理な話かもしれない。
「怪我、手当てしよ…?私がするから───」
「いい」
雪が身を退こうとする前に、血だらけの手首を掴んで阻む。
「俺はまだイってねぇんだ。生殺しさせんなよ」
「え。───っ!?」
そこで改めて、まだ雪の中に収まっている神田のものが熱く硬いままなことに気付いたのだろう。
一気に赤く色付く雪の顔。
「ぇ、ぁ…で、でも…こんな状態で、続き、できるの…?」
「できる。…寧ろヤらなきゃまずい」
「まずい?なんで?」
手首を掴んだまま、神田が顔を寄せる。
雪の頬に垂れて付着していた自身の血を、舌で拭うように舐め取った。
カラカラに渇いていた喉の疼きが少しだけ治まる。
なのに一度味わってしまえば、更にもっとと欲が出る。
堪らず舌打ちが零れた。
「ゆ、ユウ?」
「人の三大欲求ってもんを知ってるか」
「…はい?」
「食欲と睡眠欲と性欲だ」
「…や、知ってる、けど…」
いきなりなんの話をする気なのか。
神田らしかぬ会話に雪は首を傾げながら腕を退いてはみたが、しっかりと掴まれたまま放してはもらえなかった。
「俺には今その二つが競り合ってる。性欲に向いてねぇと、もう一方が耐え切れなくなりそうなんだよ」
「………眠いの?」
「違ぇよ」
「あたッ」
性欲に負ける程、寝不足気味なのか。
問えば即座に指で額を弾かれた。
どうやら睡眠欲ではないらしい。