My important place【D.Gray-man】
第43章 羊の詩(うた).
「…まじで言ってんの?」
「なんだその顔は。当たり前だのう!」
「……」
「のの…御主はいつになったらワタシを信用してくれるのだ…」
「とりあえず今すぐは無理じゃね」
きっぱりと言い切るティキにも迷いはない。
厳しいのう…と小さく呟き肩を落としながら、それでもワイズリーは仕切り直すようにふわりとソファチェアから降り立った。
「とにかく、ティキが行くならワタシも行こう。ワタシも気持ちは同じだからの。教団の者に好き勝手家族を傷付けられるのは、我慢ならん」
傍に歩み寄れば、188cmのティキと171cmのワイズリーとでは差ができる。
長身のティキを両の目と額の三つの目で見上げながら、一切笑みを作らず伝えてくるワイズリー。
そこには疑う要素など何もなく、じっと沈黙を作った後、ティキは微かに肩を落として息をついた。
「わかったよ。…いつもそうやってりゃ、少しは信用できんだけどね」
「む? ワタシはいつでも大真面目だぞ」
「ハイハイ」
「む! なんだその受け流しは。本気だからの!」
「あーハイハイハイ」
「ハイが増えたぞティキ」
「わかったわかった。いいからロード捜すぞ」
「オイ」
「む?」
「ん?」
スタスタと談話室の外に向かうティキの後に、姑のように小言を言いながら付いていくワイズリー。
その二人を呼び止めたのは、ソファに胡坐を掻いて座り込んだまま、むすり顔をしたデビットだった。
ティキ達が振り返れば、二人を睨むように見ていた金色の目が、迷うように談話室の角へと向く。
「…お前ら二人だけで敵の本拠地に乗り込むなんて、心許ねェし。オレらもついてってやるよ」
「ヒ? 行くの? デビット」
「一応、あの暴力女は家族だしな。放っとけねェし。しゃーねーだろ」
「「……」」
「…あんだよその無言は」
「や…別に無理して付いて来なくていいけど」
「うむ。嫌々来られても足手纏いだしの。御主は留守番していて良いぞ」
「ぁあ!? んだと!」
デビットらしかぬ反応にそれぞれがそれぞれに突っ込めば、忽ち彼の顔はむすり顔から苛立ち混じりのそれへと変わった。