第12章 GodS WorlD
琴乃は立ち上がったまま叫んだ。
『だって、私、普通の人間だよ!!』
「だからさっき牧師が言っただろ!!
潜在意識は自分の知らない自分の部分なんだよ!!
話聞いてか?」
少年は立ち上がり、琴乃の肩をつかんで、
座らせた。
「驚いてしまうのも仕方ありませんよ。
誰だっていきなりそんなことを言われては、
混乱したり驚いたりします。」
アルデークは少し目線を落としていった。
琴乃は怖くなった。
自分の中の、自分の知らない所で、
知らない物が息づいている。
そう思うと、
自分が自分で無くなってしまう。
そんな大げさな感覚に
捕らわれてしまいそうになった。
(何でそんなこと考えるんだっ!!)
『っ・・・!!』
琴乃は唇をきゅっと噛み、
目を強く閉じた。