虹彩異色症の女神さんは2人の炎に愛されました【エース・サボ】
第9章 覚醒力
刻一刻と迫る別れの時。
それに彼らが気づけたら、
未来は変わっていただろうか。
『全然見つからないのね・・・』
「ま、仕方ねェさ」
『エースはどのくらい捜してるの?』
「数ヶ月・・・くらい?」
『そんなに!?』
てっきり最近かと思っていた。
そんなに捜査をしてるなんて・・・。
「でもよ、諦めたくねェんだ」
『諦めちゃ駄目よ』
「あぁ」
『私も一緒にいるんだからさ!』
「守ってくれってことか?」
『馬鹿ね、私が守るのよ』
「お、おかしくねェか?」
『お互い様ってこと』
ある町で、モーダという少女に助けられたエース。
お礼に海軍まで手紙を届けにいったのだ。
そしてそこで情報の入手に成功したのだった。
『モーダちゃんには感謝しなくちゃね』
「溺れた俺を助けてくれたんだもんな」
『人違いなんて有り得ないわ』
「ははは・・・」
その情報の中にあったクロ-ディア島に来ている。
けれど、ここも黒ひげが立ち去った後だった。
今はその次の航路の調査。
「おっかしいな」
『何?』
「情報が食い違ってるんだ」
『見せて』
エースから受け取った情報が書かれた書類。
一枚にはクローディア島と書かれているのに、もう一枚にはアシリア島と書かれている。
これには頭を悩ませた。
『そういえば海軍って、盗難されたときのために、偽の書類と一緒にしておくと聞いたことがあるわ』
「えっ!」
『頭いいわね・・・』
「はぁー・・・また一からやり直しかよぉ!」
『あ、そうだ!』
アリスの頭にある案が浮かんだ。
危険だが、確実だと思った。
『海軍をスパイするのよ!』
「へ?」
『私がね、海兵になりすまして潜入するの!』
「危険だぞ!」
『エースだってやったじゃない!』
「まぁ、そうだけどよ・・・それなら俺がやってもいいんだぜ?」
『エースは顔が売れてるから駄目よ』
アリスは未だに手配書が出されていない。
まぁそれもそうだろう。
七武海に勧誘中なのだから。
勧誘を蹴れば即発行されるだろう。
『だから私がやるわ!』