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虹彩異色症の女神さんは2人の炎に愛されました【エース・サボ】

第7章 ゴーゴンの覚醒者


小さな島へやってきた2人。

ここに長居はしない。

休憩と食事のために立ち寄った。

済ませたらすぐに次の島へ向かう。



『お腹空いた』

「お!お前が腹減ったなんてな」

『誰かさんのせいね』

「ま、いいことだ!」



ドラム王国のとき以来、何も進展のない2人。

アリスは拒否してるわけではない。

エースの方が手を出してこないだけだ。

気が重いのだろう。



「その前に街歩くか」

『どうかしたの?食事より先になんて・・・』

「あのなぁ!」

『ふふふっ、珍しいなと思ったのよ』

「俺は食い意地はそんなにねェ!」

『嘘ばっかり』



優雅に笑うアリス。

またしてもエースは煩悩との戦いを強いられる。

よしてくれよ・・・。

俺がどんだけ絶えてると思ってんだ。

ちったぁ、拒否れ!



『・・・エース?』

「んあ?」

『何考えてたの?』

「あ、いや、どこ行こうかなと」

『ふーん』

「さ、行くか」



エースはその場を逃げるように街へ向かう。

アリスは少し悲しくなった。

一度身体を重ねた間柄であるというのに、何故拒むのだろう。

アリスは虚しさを覚えて、振り払うように頭を小さく振った。

錯誤する2人の想い。

重なり合うことはできないのだろうか・・・。









エースと街を散策する。

いろんな店に声をかけられて買わないかと言われるが、そんな商法に乗るほど軽い女ではない。

全てきっぱり断っていく。



「お前欲しいもんないのか?」

『ないわ』

「欲のねェ奴だな、お前って」

『欲は弱さになったりしてしまうから』

「そっか?」



小さな島だというのにこんなにも賑わっている。

貧しいわけではないのだろう。

活気溢れたこの街に安らぎを覚えた。

ふと、脳裏に蘇った記憶。

子供の頃、城下に忍び込んだとき、賑わっていた街で迷ったっけ?

懐かしいな・・・。



『似てる・・・』

「ん?何が?」

『この街、リヴィア王国に似てる』

「へェ」



迷って迷ったあげく、一人の旅人の女の人に助けてもらったんだよね。

その人に会うことは二度となかったけど。

今も旅してるのかな?

会いたいな。
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