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銀の風

第25章 やられても懲りないのがゴン


「んーと…複雑なコマの動きを、気配頼りに
 感じるためには"纏"に気を取られてる余裕は
 ないんだ、だって」

「…なるほど。もともと気配を探るのが得意な
 あいつには"纏"が邪魔くさいんだろーな」

それわかるわー。

"纏"やってるとイメージに集中するから、周り
の気配に反応鈍くなるんだよな。


「ははは!命がいらぬか小僧!ならば望み通り
 死ぬんだな!!」

「ゴン!!」


  スッ…


「何!?」

「避けた…!」

『なんとー!!この試合、初めてゴン選手が
 攻撃回避!!さぁこれが反撃開始の序章となる
 のかーー!?』

《感じる!わかる!!》


「おおー、ゴン絶好調じゃん!」

「おい教えろ!!」

「いだっ!!」

うおっ…頭割れるっ…!!


「って~…えーと、今のオレに出来ること。
 全力で敵の攻撃をさけること。これでまだ
 戦える!…ってさ」

「あいつ…楽しんでやがる」

「命懸けの修行してんだな、ゴンは」


すげェよな。下手したら死ぬかも知れないのに
……修行。

しかもエンジョイで。滅多にできるもんじゃ
ねーな。

…楽しそうゲフンゲフン いや、何でもない。












「右腕、とう骨、尺骨、完全骨折。上腕骨亀裂
 骨折。肋骨に完全骨折が3ヶ所、その他亀裂
 骨折が12ヶ所。全治4ヶ月だとさ。
 このドアホ」

「……ゴメン」


昨日の試合から一夜あけて、ゴンの部屋にいる。

あのあとゴンは1時間以上避け続けたけど、
最後の最後でギドのコマが当たってゴンの負け
になった。

死ぬことはなかったけど……骨折ヤバす。


「オレに謝ってもしょーがねーだろ!!何が
 これでまだ戦える、だよ!一体どーなってんだ
 この中はよ!? あ!?」

「う、あう…って何で知ってんの?」

「フーガに読んでもらった」

「正しくは読ませただけどぐはっ!」


だから…頭割れるっつーの!!
グーで殴るなグーで!!

オレが頭抱えて悶絶してる間にキルアは
テキパキ説教モードに。

…何か悔しい。


「―ったく、何のためにメガネ兄さんが教えて
 くれたと思ってんだか」

「う~…でもさ、大丈夫かなって思ったんだよね」

いや、そーゆーんじゃ…言おうと思ったら先に
キレたキルアがゴンの右腕に足組んで乗せた。  

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