第25章 やられても懲りないのがゴン

ー翌日ー

『さぁ､今日は大注目の一戦です!破竹の勢いで
　勝ち上がってまいりましたゴン選手が早くも
　登場です!!』


さっそくゴンの初戦の日｡…めっちゃうるさい｡
…オレこーゆーとこ苦手なんだよな…

そういや昨日ウイングさんに戦うのは2ヶ月
我慢してくれって言われたけど…

ものの見事に無視したよな。


「始め!!」

ゴンは今までみたいにオーラ纏ってる。

ギドは…ん？コマ？


「ボウズ…初戦がオレでよかったな。オレは
　非力だから、死ぬことはなかろう」

「!?」

おおー、コマがいっぱいだ！

…どーだっていいけど、なんでリングから
こんな離れたとこでも声聞こえんだろ？


『出ました!!ギド選手の舞闘独楽！10コの
　独楽を自在に操り敵を攻撃するという独特の
　戦闘スタイルです』

独特っつーか…脚があれなんじゃそーするしか
なくね？


「いくぞ戦闘円舞曲(戦いのワルツ)!!」


コマはギドの杖を離れて､リング上に広がった。

オーラは纏ってるけど…動きはわりと普通？


　ガギィィインッ

「ぐっ！」


威力つよっ!!んだよ全然普通じゃねぇじゃん!!

そりゃぶつかっただけであんな音するわ。


《非力!?とんでもない!!あんな小さなコマ
　なのに､ハンマーでぶん殴られたような衝撃
　だぞ!!》

え、マジか。あんなん念なしでくらったら…

………。ウイングさん、マジ感謝です。


『またも直撃、ゴン選手なす術なーし!!
　これでポインタは6ｰ0!!さぁ後がなくなって
　きたぞ!!』


え？あ"あ"あ"考え事してたら思いっきり
見過ごしたｧｧｧ!!

その間に吹っ飛ばされたゴンは、リングに戻る
でもなくリタイアするでもなく、リングの上で
回り続けるコマを見てる。


《…もしかしてコマは､オレだけを狙って
　襲ってくるわけじゃないのかな？》


んー…そういやゴンを襲うためにコマ出して
んなら､コマ全部がゴンに向かってくはずだな｡

でもリングの上のコマは…あ。



「もしかして、ただ"ぶつかったものを弾き
　飛ばす"だけ？」