第4章 土方 十四朗の妹(銀魂)
「そこの女!
止まれ!!」
一人の女を数人の男達が囲んだ。
「何ですか?」
「真選組、副長、土方 十四朗の妹、菜々子だな?」
「そうだと言ったらどうします?」
女……菜々子は首を傾げた。
「我らの目的のため、貴様には人質になってもらう!」
そう言って男達は菜々子に詰め寄る。
その時だった。
「そこをどけぇぇぇええ!!」
一人の男が猛スピードで菜々子たちへ走ってきた。
「どけって言ってるだろぉぉお!!」
その男は凄い形相をしながら手でどけとジェスチャーをする。
「なんだ貴様っ!
我らの邪魔をするなら容赦せんぞ!」
菜々子を囲んでいた男達が刀を抜く。
「うるせぇぇえ!!!
こっちはお前らに構ってる暇、ないんだよ!!」
一瞬のことだった。
刀を抜いていたはずの男達が全員、のびていた。
そこでようやく菜々子は走ってきた男の顔を見ることができた。
天然がかった銀髪の髪。
着物は片袖だけ通さず、腕を出し、その下には黒い服を着ている。
そして、その男の手をは洞爺湖と柄に書かれた木刀を持っていた。
「ったく……間に合わなかったらどうしてくれんだ。
一分一秒でも早く帰らねぇといけねぇのにっ!!」
銀髪の男はまた走り出した。
「………かっこいい」
菜々子はポツリと呟いた。