第11章 土方 十四朗の妹2(銀魂)
「ふんふーんふーん♪」
ここは武装警察真選組の屯所。
菜々子は鼻歌を歌いながら庭先を箒で掃いていた。
「鼻歌なんか歌ってご機嫌ですねィ。
何かいいことでもあったんですかィ?」
見廻り帰りの沖田が菜々子に話しかけた。
「あ、総悟くん。
見廻りお疲れさまです。
実は今度、銀時さまとご飯に行くことが決まりまして………」
はにかんだ笑顔で菜々子は言った。
「えっ?
すいやせん。
よく聞き取れやせんでした。
もう一度、言ってくだせェ」
「見廻りお疲れさまです?」
「その後でさァ」
「銀時さまとご飯に行く?」
菜々子の言葉を聞いた瞬間、沖田は自分の耳がおかしくなって聞き間違いであって欲しいと心の底からそう思った。
「ご飯を?
旦那と??
食べに行くんですかィ???」
「はい!
お互い用事でなかなか都合が付かなかったのですが、ようやく予定があったので今度の休みの日に行くんです」
「へ………へェ……………。
今度の休みにですかィ…………」
「総悟くん、どうかされましたか?」
「いや、何でもないですぜ。
じゃあ俺は仕事を思い出したのでこの辺で」
「はい。
お仕事、頑張って下さいね」
沖田は菜々子から自分が見えない位置になったことを確認すると物凄い勢いで走り始めた。
「沖田隊長、そんなに急いでどうされました?」
沖田の部下であろう男が話しかけてきた。
「直ちに隊士全員を集めてくだせェ。
緊急事態だ」
「わかりました!」
男は沖田に敬礼をすると皆を集める為に走り始めた。