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(R18) Moulin Rouge (HQ)

第3章 xxx 02.及川徹



 及川徹はどうやらこの町のどこかで働く人間らしい。話から察するに、彼もまた夜の仕事に従事する者らしいのだけれど、よく話が尽きないなこの人。

「ああーイライラする!」

 一際大きな声で言った彼は、顔面からベッドに突っ伏した。なかなかに背がお高いので、足が簡易ベッドからはみ出している。

 いわゆるうつ伏せの体勢になっているのだが、及川徹は、こちらに顔も向けずにこんなことを言い出した。

「新入りちゃん。腰揉んで」

「あ、やっと仕事させてくれる
気になりましたか。よかったデス」

「性的な意味じゃなくて!」

 ほらほら早くう、みたいな気味の悪いおねだりを付け加えてくる。なんだろう。不思議な人だけど(非常にめんどくさいとも言う)、悪い人ではなさそうだ。

「……失礼します」

 おずおずと彼の太ももを跨いで、高級そうなスーツの上から腰を探した。

 な、なんつう高い位置に腰があるんだ。モデルか。モデルなのか。などと驚いたのは私だけの秘密である。
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