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(R18) Moulin Rouge (HQ)

第10章 xxx 09.彼氏(仮)



「て、め、え……俺の大事な幼馴染に、ナニを、しやがった……?!」

 これのどこが優しいのか。これの。

 手を繋いだままエレベーターから降りてきた私たちを見た瞬間、黒尾は私の頭を鷲掴みにして、これだった。

「いたい!縮む!オッサン!」

「縮めガキ!そのまま埋まれ!」

「やめなよ二人共……近所迷惑」

 研磨がちょっと呆れたように言う。
 ギャーギャーと歪みあう黒尾と私を煙たがるようにして、早朝のカラスが二羽、大空へと飛びたった。

 黒々とした羽がひらり、舞う。

 そこへ聞こえたのは誰かの足音。上機嫌に弾む会話の声。ひとり、ふたり、……いや、もっといる。

「今月も俺がナンバーワーン!」
「うるっせえよ黙れ及川」
「今日は何食うかなー」
「俺あれな、卵焼き定食」

 う、げ……早速出くわしてしまった。

 向かいのビルの脇。
 2ブロック先のエリアへと続く曲がり角から姿を現したのは、他でもなく、クラブキャッスルの四人組だったのだ。

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